2010年11月28日(土)から12月3日(金)の6日間、米国シカゴのマコーミックプレースにおいて北米放射線学会(RSNA2010)が開催されました。CTでは学術発表、機器展示ともに被ばく線量の低減に関する話題に注目が集まりました。2009年10月8日にFDAから発表されたCTパフュージョンスキャンにおける過剰被ばくに関する通知に端を発し、如何にして被ばくを低減し、医療の質を担保するために何をするべきかをユーザー、装置メーカーともに取り組んでいる結果ではないかと考えられます。 GEブース全体のコンセプトは昨年から引き続き「healthymagination」です。このコンセプトを実現するために、CTコーナーでは"Lower Dose by Design"を大きく掲げ、被ばく低減に対するGEの姿勢を示しました。メインでは高分解能でありながら逐次近似法を応用した画像再構成法ASiRによる被ばく線量の最適化、さらには最新の高速kVスイッチングによるデュアルエナジースキャンを実現したGSIを搭載したDiscovery CT750 HDを昨年に引き続き展示しました。 Discovery CT750 HDDiscovery CT750 HD実機、Gemstone Detector、HD Tubeの展示、eパネルでは全身領域での高分解能・低被ばく画像、GSIの応用が紹介されました。現状の実力の再確認として冠動脈ステント留置後における高分解能画像やASiRが臨床の現場に提供する低被ばくと高画質の両立、GSIにおいては高速KV スイッチングによる物質分別・定量評価をファントムデータのみならず臨床画像とともに実症例と可能性を示しました。 GSI(Gemstone Spectral Imaging)
物質弁別(Material Decomposition):2つのエネルギーに対する物質の線減弱係数の違いを利用して、各物質の密度等価画像を作成します。これによりCTアンギオグラフィー像から石灰化のみを除去することや、物質の密度値を算出することを可能としています。 仮想単色X線画像(Monochromatic Imaging):生データ上で演算を行っているGEのみがビームハードニングの影響を抑えたMonochromatic Imagingの提供が可能です。より正確なCT値の定量解析が行なえ、またメタルアーチファクトの低減されます。
ASiR(Adaptive Statistical Iterative Reconstruction) 今年のRSNAでは被ばく線量の低減が注目されましたが、逐次近似法を応用した画像再構成法による被ばく線量の低減が各社から紹介されました。GEは2008年に生データベースで逐次近似法を応用したASiRを発表しましたが、今年は各社イメージベースでの処理ではなく生データベースでの処理による画像再構成法を新たに発表し、ASiRと同様の計算方法に近づいてきたと考えられます。
新しいフルの逐次近似法画像再構成アルゴリズム(薬事未承認)RSNA2010 GEHC CTブースにおいて注目度No.1の展示がこの新しいフルの逐次近似法画像再構成アルゴリズムでした。これまでのCT生データに対する統計的ノイズモデルを用いたIterative ReconのASiRを進化させ、更に光学的モデルをも加味した画像再構成アルゴリズムです。従来の再構成法と比較し、更なる被ばく線量の低減と空間分解能/密度分解能の改善を同時に実現し、新次元の臨床ベネフィットをもたらすことが期待されます。本RSNAでも各社新たな逐次近似画像再構成アルゴリズムを発表していました。弊社の技術は、画質/分解能を向上させ且つ被ばくを同時に低減できるものであり、臨床例には全肺野0.09mSv(100kVp, 10mA, 0.4sec)の画像がありました。これは胸部レントゲン撮影レベルの被ばく線量でありCT診断における被ばく線量のレベルが大きく引き下げられたことを意味します。
AW Volume ShareとAW Serverの新バージョン(薬事未承認) 画像処理ワークステーションにおいて、ワークフローの向上、自動化機能の精度の向上は常に課題とされる項目です。日頃の画像解析の更なる効率化をめざして、今年のRSNA CTブースではAdvantage Workstationの新たな3つの機能と、AW Serverが紹介されました。
Technology Pavilion (全て共同研究中)GEブースの一角を使ってGEの近未来の技術をお客様に紹介するコーナーとしてテクノロジーパビリオンが設置されました。
今年のMR ブースはフロントディスプレイに欧米で需要の高いワイドボアを採用した新型の3.0T装置と1.5T装置(共に薬事未承認品)のガントリーを配置し、これを囲むように連日多くのお客様で賑わっていました。その他、Discovery MR750 3.0Tの新しいアプリケーション・オプションや国内でも多くの実績をいただいているOptima MR360 1.5T、四肢専用1.5TMRI(薬事未承認品)、MRエラストグラフィー(薬事未承認品)などを中心にご紹介いたしました。 Discovery 3.0Tブランド、Optima1.5Tブランドの新型機種
現在、GEのプレミアム3.0T装置としてGlobalで高いご評価をいただいているDiscovery MR750 3.0T。このパフォーマンスを保ったままより臨床的な使いやすさを追求したのが、Discovery 3.0Tシリーズの第二弾である本製品です。冒頭で紹介しました通り、欧米で需要の高いワイドボアを採用し、その上で送信の均一性を保つためにRFアンプを複数搭載し送信最適化を図るRF 制御方式を採用しました。また、テーブル埋め込み型コイルを中心にコイルを組み合わせ、全身の撮像を行うコイルシステムも新たに採用しています。このコイルシステムのディスプレイでは頭部検査においてもFeet Firstでポジションニグが行える点、頭部コイルのチルトができる点、その他、多目的用の新しいフレキシブルアレイコイル(薬事未承認品)を紹介いたしました。 Discovery MR750 3.0Tの新しいアプリケーション・オプションDiscovery MR750 3.0Tは、新たなアプリケーション・オプションを発表いたしました。3D ASLは非造影パフュージョンの撮像法で、ほぼ全脳を3Dにて5分程度で撮像可能です。eDWI はDiffu-sion EPI の機能拡張であり、MPGの3軸同時印加やテトラヘドラルエンコーディングによるTEの短縮やMulti b valueなどを備えています。Inhance Suiteは従来のInhanceパッケージに下肢の血管撮像を行うDelta Flow法やオブリークパルスを用いたInflow IR法の追加を含んでいます。その他、PROPELLERの全身対応、心臓用アプリケーションの機能拡張などが発表されました。これらはDiscovery MR750 3.0Tの優れたハードウエアパフォーマンスを臨床で一層活用していくことが可能なアプリケーション群として期待されます。 四肢専用1.5TMRI(薬事未承認品)
膝、肘、足関節および手関節の撮像に特化した非常にコンパクトな1.5TMRI装置です。一般的なMRIのようにガントリーに入ることなく、専用のリクライニング式チェアを用いて、負担の少ない姿勢で検査を受けることが可能です。画質は1.5Tの本格的なもので、撮像対象に合わせて径の異なる6種類のRFコイルラインナップを有しています。また、先行で発売されている米国ではスポーツ整形などを中心に高い評価をいただいていると報告されていました。
日本国内におけるフラットパネル製品の販売開始から10周年を迎えた今年のRSNAでは、新たな技術を紹介し、お客様には、興奮と大きな期待を持っていただきました。 Digital Radiography今年のテーマは、"It's Time to Think Differently about X-ray"です。ワイヤレスFPD(国内薬事未承認)を新たなラインナップに加え、一般X線撮影装置DiscoveryXR650および回診用X線装置AMX-4Plusの後継機種(いづれも国内薬事未承認)が展示されました。 Digital Mammography今年のテーマは、"The Challenges in Mammography"です。乳癌における画像診断のフローの中で、さらにマンモグラフィ装置が出来ることを追求し、GEでは、新たな検査方法を提案しており、その一つがCESM(国内薬事未承認)です。すでに、ヨーロッパで、販売が開始されており、学会内SessionでもDr Dromain(IGR)よりCESMのMulti-Reader Studyが発表されるなど、臨床的有用性への注目が集まっていました。
Vascularテーマは、"See. Your Way. Clearly"。近年、より複雑化するインターベンションにおいて、先生の目となる画像を提供する上で、低線量でより良い画質、さらに的確な手技をサポートできる機能を追究していくことを昨年同様、私たちのVisionとして掲げました。
Surgery国内外で既に定評をいただいているOEC9900 Elite MD(遠隔操作可能な電動Cアーム)、並びに、NuBoom(床置アーム型マルチディスプレイシステム:国内未販売)を実機展示致しました。
今年のMIブースのメインテーマは、「Understanding disease. From the beginning」。これは、Molecular Imagingの技術を通してEarly healthを実現したいというメッセージです。また、サブテーマとして、「Lowest Dose」、「Highest Accuracy」、「Most complete solutions we've ever offered」を掲げ、SPECT、PET/CT、PET用薬剤製造装置(サイクロトロン及び自動合成装置)、Pre-Clinical Imaging(実験動物用)装置に関係する最新の製品、技術、ソリューションを紹介しました。 PET/CTでは、最先端の呼吸同期撮像が可能なDiscovery PET/CT 600Seriesの実機展示を行いました。Motion free PET/CT と名づけたこの呼吸同期技術は、呼吸同期検査のワークフローを自動化し、臨床PET/CT検査でしばしば問題になる呼吸性移動に伴うPETとCTの位置ずれを解決することができます。このMotion free PET/CTの技術により、PETの定量精度の向上や放射線治療計画の精度の改善が可能です。また、画像再構成技術では従来までの「VUE Point Plus」が「VUE Point HD-S」として進化し、分解能向上アルゴリズム「SharpIR」が加わりました。さらに、TOFアルゴリズムと「SharpIR」を搭載した「VUE Point FX-S」を発表、臨床画像を展示しました。CTでは、「ASiR」など臨床に使える最先端機能を豊富に紹介しました。また、PET/MRにおいてGE独自のソリューションの提案と将来の新技術、18F多目的自動合成装置、実験動物用PET/SPECT/CT TriumphIIなど最先端の研究と臨床を支えるユニークな製品群で訪れるお客様の注目を集めました。
ONE VISION今年のRSNAのヘルスケアITブースで掲げたメッセージは「One Vision. A world of difference.」。Oneは、一体化や統合を意味します。「様々な情報や組織が一体化されることにより、大きな変化が生まれる」。そのための具体的な手段として、One desktop(1つの端末デスクトップ上で様々なクリニカルアプリケーションが駆使できる環境を実現する), One Patient(1人の患者様が持つ様々なデータを一元管理・一元参照出来る環境を実現する), One Community(1つの地域で共有されるべき診療情報を相互活用出来る環境を実現する)という、3つのOneの実現を目指し、そのための具体的な新製品やソリューションを、数多くご紹介させていただきました。
Centricity PACS 3.2Centricity PACSの最新バージョンv3.2では、仮想化技術の採用により、より少ないハードウェアでシステム構築可能となり、サーバ機器の導入コストや設置スペースの削減はもちろん、サーバ機器や空調設備の電力消費を抑え、環境にも優しいグリーンなソリューションとなっています。画像診断ワークステーション「RA1000」も機能強化され、FOVによる過去検査との拡大同期や、柔軟なショートカットの設定、カンファレンスなどに威力を発揮するブックマーク機能などが搭載されました。また、後述のEA 4.0やWeb-DX 2.0との連携機能の強化なども図られています。
Web-DX 2.0Web画像配信システムも最新のバージョン2.0がリリースされ、大量の画像を含む検査の表示パフォーマンスが大幅に向上したのに加え、IHEに準拠したキー画像やアノテーションの保存もサポートされました。Web-DX 2.0は、Webベースでありながら、MIP/MPR/3Dなどアドバンスなアプリケーションも利用可能な高機能システムとなっています。Webベースの特長を活かして、院内の様々な端末からのアクセスを可能にし、One desktopを実現します。さらに、院外からの遠隔画像診断などにもその威力を発揮します。
EA4.0(国内未販売)EA4.0は、DICOM画像だけでなく様々な形式のデータを一元管理できるため、1人の患者様のデータへのシームレスなアクセスが可能となり、One patientな環境を実現します。さらに、地域医療連携(Health Information Exchange)の中でも重要な役割を占める画像連携(Image Exchange)を実現するため、GEではEA4.0に業界標準IHEのXDSに準拠した画像共有機能(XDS Repository)を搭載しました。これにより、ベンダー中立で、オープンかつスタンダードな地域連携のインフラを提供し、One Communityの実現を目指しています。ブースでは、このXDSにもとづいた地域連携の実例もデモンストレーション展示しており、高い注目を集めていました。 Mobile Application(薬事未承認)iPad/iPhone/Androidなどに対応したGEのモバイル画像参照用アプリケーションは、ストリーミング技術を採用しています。MIP/MPR/3Dなどの画像処理はサーバサイドで行われるため、WIFIなどの無線ネットワークでも、高速・快適に画像を参照できます。見終わると端末側にはデータが残りませんので、データ漏洩のリスクも大幅に低減できます。こうした技術を通して、救急などでの至急読影のニーズの高まりに対するソリューションを提供して参ります。
画像診断ワークステーション(薬事未承認)画面GUIを一新し、長時間の読影にも、目に優しいUIを採用しています。また、読影効率向上のため、MIP/MPR/3Dといった画像処理機能を内蔵します。専用ビューアを起動することなく、こうした機能がネイティブに動作するため、いつでも即座に利用することが可能です。さらに、新たに「Snap Tool」を搭載し、分割された画面レイアウトで、ほとんどマウスを動かすことなくシリーズの入れ替えができ、また、分割レイアウトの変更や、各エリアにどんな条件で表示するかを、マウスをほとんど動かすことなく操作できるようになっています。
ヘルスケアITでは、今後もOne Visionというスローガンのもと、様々な情報を統合するソリューションをご提供することで、業務の効率化、診断の質の向上、ユーザ満足度の向上を図っていきたいと考えております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
薬事番号一覧
実験小動物用装置 TriumphII(薬事対象外製品) |
|
学術参考 本文、開発中の技術(WIP)および薬事未承認、日本未発売と注釈のある内容につきましては、販売活動をしておりません。 |






昨年注目を集めた高速kVスイッチングによるGSIに関しては豊富な臨床画像がブースで紹介されました。昨年まではGEを含めた2社のみがデュアルエナジーの臨床での応用を可能としていましたが、その他のメーカーもローテート/ローテート方式ながらデュアルエナジー撮影が可能となってきました。



CardIQ新しいバージョン
AW Server
ワイヤレスFPD
回診用X線装置
Senographe Essential
図1
図2
図3
図1
図2
Discovery NM/CT 670
Discovery PET/CT 600Series



